人気ブログランキング |
バティック教室のサイトへ | ブログトップ
バティックとその周辺
カテゴリ:本を読む( 93 )
「晴れたり曇ったり」 川上弘美
“美しいという言葉は当初は肉親への愛をあわらしていたと聞く。 (中略) こどもの頃、家のものがさまざまに美しく思えたのは、室町より前のひとびとの口にしていた「美しい」という言葉の意味に倣っていたのである。”

本を読んでいて、ひとつでも心に深く落ちる言葉があると、あぁ この本を読んでよかった、と思える。
上記の抜粋は川上弘美さんの「晴れたり曇ったり」から。

“美しい”という言葉の、そもそもの使われ方、
川上さんと同じような経験が私にもあること、
そのようなこども時代をおくれたことに関する感慨。

さまざまな記憶がよみがえってきて、
その中でもトラの絵柄の布の袋に入った鰹節削り器を思い出す。
熱い料理にふわっとかけるとくねくねと踊りだす、薄く削られた鰹節を見るのが大好きだったし、削るという行為も好きだったし、削り器自体も簡単な作りなのに、よくできていて、きれいな道具だと思っていた。

そういった新旧もろもろの記憶を思い出させてくれる文章にあふれた本でした。
by tomo_kodama | 2014-11-22 13:38 | 本を読む
「歳月」 茨木のり子
図書館で「茨木のり子の家」をまた借りてきてしまう。
これで3度目くらいかもしれない。

写真も、合間合間の詩も、本全体のたたずまいも好き。

写真に写された室内の様子、直筆の原稿をみながら、生前の暮らしを勝手に想像しては、しんとした気分になる。

2階へと続く階段の途中に、中部ジャワのおそらく手描きらしいバティックがかけられている様子もとても好き。
写真に写っているほんの一部をみても、バランスのよい、色合いのよい少し古いバティックであることが伺える。
このバティックを美しいと茨木さんも感じていたのだろう、と思うとうれしくなる。

昨日、ライブ開始前のほんのわずかな時間に本屋さんへ走り、彼女の詩集「歳月」を買い求める。
(そして、そのライブはすこぶるよかったから、昨日はライブの余韻を楽しむために、本は開かなかったのだ)

寒くなってゆくこれから、ゆっくりゆっくり、何度も読もうと思う。
by tomo_kodama | 2014-10-29 21:54 | 本を読む
うたたねと読書@シチニア食堂
信頼できる友達の店/みくり食堂にあったDMに惹かれて、宝塚市清荒神にある「シチニア食堂」へ行ってきました。

本を4冊、「飛騨」という地域誌、丹波の地域誌もいただいてきました。

母の田舎が飛騨であることもあり、幼いことから何度となく足を運んでいる飛騨地方。そんなこともあり、手に取ってみるとページが袋状になっていて読めないページある。ハテナ? と思うと、自分でペーパーナイフでページを切り開いて読む、という作りになっているのでした。

読者のコーナーには、「ペーパーナイフを使わなければいけない理由がわからない、デザイン重視でなく、読みやすさを」という投稿もあったけれど、私は自分で切り開いて中を見る楽しみがあるのになぁ、と思う。

本日の収穫は、稀有なレポートである「イベリコブタを探しに」、いしいしんじさんの「あかずきん」、高野文子さんのシュールな漫画本「黄色い本」、それから須賀敦子さんの単行本。
ちょっと足を伸ばした先で、読みたかった本、好きな本に出合えるのは本当にうれしい。

シチニア食堂での古本市は9月23日(祝・火)まで。

うたたねと読書@シチニア食堂_c0133854_20463037.jpg

by tomo_kodama | 2014-09-13 20:49 | 本を読む
今日の収穫@図書館
私の住む池田市には駅前図書館と本館とがある。駅前図書館へは自転車で3分ほど。今日は帰宅してから自転車を飛ばして図書館へ。閉館時間まであと1時間というタイミングだけど、勝って知った場所なのできっとおもしろそうな本が見つかるはず。

その日その日によって、これもあれもと読みたい本が目に入ってくるときもあれば、まったくピンと来ず手ぶらで帰ってくることもある。
まぁ、本館ではないので蔵書数も少ないからあまり文句は言えない。

大抵は、入ってすぐの特別コーナーの棚(その時々でテーマに沿って、ささやかな数の本が紹介されている)を一瞥し、料理・洋裁コーナーへ。その後小説、それからエッセイのコーナー。それから、芸術や工芸のコーナーへ。時間に余裕があれば「暮らしの手帳」などの雑誌に目を通す。そうやって小さな図書館のごく限られた本棚の前を決まったコースのようにゆっくりめぐって帰ってくる。
いつも同じところに、同じ作家の本が並び、そのことを確認するかのように。

今日の収穫は「いい声になるトレーニング」。
これを読んで、なんなら実践してもっとうまく歌を歌えるようになりたいものだ。
by tomo_kodama | 2014-08-11 22:07 | 本を読む
「料理=高山なおみ」 高山なおみ
本を開いた。のっけから写真に圧倒される。今までとは随分雰囲気が違う。随分というより全く違う。なにがどう違うか、それを言葉で表すとしたらどう言うんだろう、と文筆業をしている訳でもないのに、まじめに考えてしまいたくなる程だ。

一番好きな写真は朝ごはんの写真で、大皿にパン、野菜、卵、ベーコンやウインナーがのっかり、朝の光が半開きのカーテンから重々しくテーブルに届いている。テーブルについたその家の住人は半ばまだ眠りかけの目をこすりながらも、朝ごはんを食べるうちに一日のエネルギーに満たされていく。そんなことを勝手に想像する。

久々に出版された高山さんの料理本は、写真を味わい、文章を味わい、それから自分で料理をしてみて楽しむ。三度おいしい料理と写真の本。
by tomo_kodama | 2014-06-30 22:14 | 本を読む
「海うそ」 梨木香歩
梨木さんの新刊を読む。
ちょっと古い時代が舞台になった彼女の小説は、彼女のエッセイと同じぐらい好きだ。

知らない植物の名前がたくさん出てくるので、植物図鑑で調べながらもう一度読み直したいと思っている。

そういえば「雪と珊瑚」はおいしそうな料理がたくさん出てくるので、メモを取りながらやはりもう一度読みたい、と思っていたことを思い出した。

そんなことを書いているうちに、読みたいと思っていてそれっきりになっている本をあれこれ思い出してしまった。本を借りたり買ったりするのは、手持ちの本を読み終わってからにしよう、という最近の誓は早々に破りそうだ。
by tomo_kodama | 2014-06-16 21:00 | 本を読む
「須賀敦子 全集 第1巻」 須賀敦子
旅をするときはいつも文庫本を何冊かお供にえらぶ。今回は行き先のミラノにあわせて、イタリアに10年暮らした須賀敦子さんの本を選んだ。10日間のホテル暮らしの内、後半7日間がミラノのホテルというその日程には調度良いだろう、と思って。

解説を池澤夏樹さんが書いていることもあり、彼が好む(のであろう)作家の文章を読んでみたいとも思ったのだが、これが大正解。

旅の友に選んだ本が、そのときの気分にぴったりなのは、なんとも形容しがたい幸せだと感じる。

ミラノでベットに転がって本を読みながら思い出したのは、数年前のバングラディッシュ旅行。お腹を壊し安宿から外へ出ることもままならない状態で、しかたなく同じ本を3度も4度も読んだ。川上弘美さんの「真鶴」。
下痢と嘔吐と真鶴はセットになってしまった。

カプチーノと甘いお菓子と須賀敦子さんの文章、今回はそういうセットだった。
by tomo_kodama | 2014-03-31 22:37 | 本を読む
「長尾智子の料理 1,2,3」 長尾智子
ここ数年、特に料理本が好きになっていろいろと読んでいる。
ふと思い巡らすと、レシピを知りたいというよりも、レシピとレシピの間のエッセイの方を楽しみに読んでいる、という気がする。

最近、料理は生活そのもので、料理して食べることの中に暮らしの哲学のようなものがあるとさえ思う。

今まで読んでこなかった料理家の本を今年は読もう。その一人が長尾智子さん。名前が同じでちょっと親近感がある。
by tomo_kodama | 2014-02-10 08:00 | 本を読む
「奥美濃のこころ 多喜女ききがき」
実家に帰ったとき、私の寝る部屋には大きな本棚があって父と母が所有する本が並べられている。
帰省したときは、その中からピンと来る本を選んで寝る前の友としている。

このお正月、目に留まった本はビニールのカバーがかかった民芸調の表紙の本。いかにも古そうな装丁な上に、埃も積もっている。いつもならスルーしそうな見た目なのに、手にとってみたのは帯に書かれた「郡上八幡」という地名が気になったから。水野多喜(明治30年生まれ)という郡上八幡に生きた女性の記憶を元に、当時の生活風習が書かれている。

本の中も表紙と同様に昔を感じさせる作りだが、読み始めてみると昔風の言葉遣いなのにもかかわらず、「美しい言葉の流れ」だとすぐに感じた。
本の解説を読むと、筆者は詩人。それでちょっと納得がいった。

今年もたくさん良い本に出会いたいものだ。
by tomo_kodama | 2014-01-20 20:00 | 本を読む
「冬虫夏草」 梨木 香歩
まだ読んでいない本のことを、ここに書くのは始めてかもしれない。
「家守来綺譚」の続編がとうとう出版されたらしく、思わすアマゾンで注文してしまった。
家に届くのは数日後か。楽しみすぎる。

その一方「待つということ」という読みかけの本を横目で眺める。
現代から「待つ」ということは消滅しつつある、というようなくだりがあったが、まさしく今回は全く待てなかったな、と。
by tomo_kodama | 2013-11-08 22:49 | 本を読む