実家から届いた野菜の詰まったダンボールを開けるのは、いつも、とても楽しみ。
だいたいは季節の野菜だから、中身に想像がつくというものだけど、
今回は白ゴマが入っていた。
そしてそこに添えられた母のメモ
「黒いのはフンだからとってね」
そう、白ゴマにまじった黒ゴマみたいなのは、まぎれもなく、虫のフン。
そのことに気がついたのはゴマを作り初めて数年後。
それまでは私を含む、渡辺家の人々はフン入りゴマを堪能してた、というわけ。
「あれねーずっと黒ゴマがまじってるのかと思ってたのよ~、目が悪いしね~、
自分でよけて食べてね~、はっはー」
と言っていた母。
というわけで、夜中、白い紙の上にゴマを広げて、せっせとフン取り。
いったい何の虫の糞なんだ、と思いながら、ゴマまで作ってしまう実家の両親に感謝しなきゃ、と思いながら。